第61回岸田國士戯曲賞受賞作品「来てけつかるべき新世界」の戯曲本。
ほのぼのシュールな、笑えるロボット演劇。
ドローンが出前をする通天閣のおひざもとでは、AI搭載の炊飯器が、将棋や漫才もしてけつかる! シンギュラリティを予兆する、SF新喜劇(コメディ)。
「旧来の軽演劇のように見せながらやがて訪れるAIの波に翻弄される庶民の様子を笑いのうちに展開させて見事。その今を見る視線はシニカルなようでいて妙に暖かい」――岩松了
「きわめて技術が高く、アイデアが全編に行き渡っており、結果すこぶるおもしろい作品となっている」――岡田利規
「上田氏のセンスが独特なのは、「オーバー・テクノロジーが人間の本質を、びっくりするぐらい変化させない」という点である」――ケラリーノ・サンドロヴィッチ
「こんな作品こそ、翻訳されて海外に紹介され、『日本』や『日本人』あるいは『大阪人』というものの不可思議さを『現世界』に知らしめるべきだ」――野田秀樹
「現在のロボット技術の限界と、描きたい未来との乖離を、随所に見られる卓越した笑いの技術でカバーしている」――平田オリザ
「シニカルだが、思いつきで終わらず、どこか幸福な笑いが出現するのは高い作劇の技術ゆえだ」――宮沢章夫
巻末には「特別付録」として、イメージが具体化するまでのメモや衣装デザイン、舞台美術資料や舞台写真を収録。