2020.02.28
ヒロイン役に若手実力派・朝倉あきさん出演!+コメント到着
『ドロステのはてで僕ら』が、2月中旬にクランクアップ。
この度、ヒロイン・メグミ役として、『かぐや姫の物語』『四月の永い夢』『七つの会議』『仮面病棟』などで知られ、ヨーロッパ企画とは初タッグとなる、若手実力派・朝倉あきさんの出演を発表!
朝倉さん、主演の土佐和成、脚本の上田誠、監督の山口淳太(ヨーロッパ企画)よりコメントも到着しました!
ヨーロッパ企画さんの存在を知ったのは、映画『曲がれ!スプーン』がきっかけでした。
その後、舞台のDVDは面白く拝見していたので、こうしてご縁をいただけたことに、とても驚いています。
出演にあたって、みなさんの輪の中に溶け込めるかどうかの不安はありましたが、私が演じるメグミは“巻き込まれ型”のキャラクターでしたので、そのまま身を委ねさせていただこうかと…。
そして、リハーサルが「こんなに楽しんじゃっていいのかな?」と思うほど、とにかく楽しいです。現場でみなさんのお芝居を拝見すると、掛け合いの面白さがダイレクトに伝わってきて、それをみなさんがナチュラルに受け止めていらっしゃることが奇跡のようにも感じます。
何気なく発せられたセリフが、相手役、そして周囲の人を通じて、面白さが連鎖し増幅していくのが分かるんです!ここ最近、「生きてる芝居を作るってどういうことだろう?」と考えるのですが、この現場でヒントをいただいたような気がしています。
朝倉あきさん(メグミ役)
劇団でしか出来ない映画が撮れたと思います。
そもそも撮れるかどうかわからない。下手したら1カットも撮れないかもしれない。5時間押しは当たり前。焦る役者。待つ役者。混乱するスタッフ。待つスタッフ。目の前で繰り広げられる脚本家と監督の低温火傷のようなジリジリとしたケンカ。それを朝倉さんに解説する劇団員。苦笑いする朝倉さん。美味しいケータリングのごはん。
それらの状況を全て背負ったなか積み上げられていく1カット1カットは、もはや映画ではなくただの「泥んこ劇団ドキュメンタリー」だったかもしれません。
『ドロステのはてで僕ら』なんとか完成しそうです。どうぞよろしくお願いいたします。
土佐和成(ヨーロッパ企画/カトウ役)
パズル的な構造をもつ時間映画であり、テレビ画面とからみ続ける映画であり、群像による長回しの映画。それを地元のカフェで撮るということ。京都の劇団である僕たちにできることはそれだしそれだけをする、と決めて、撮影に臨んだら時の牢獄が待っていました。
OKテイクが出ない。ワンテイクを返すのに1時間かかる。今日が何日目か分からない。
しかしながら底抜けに愉しかったし、ここ最近になく劇団の結束が瞬間的に高まったのもほんとうです。死に直面した時のそれでした。そしてゲストの朝倉あきさんがいなくては脱出は不可能だったでしょう。力を合わせてデスゲームから生還したような高揚のなかに今はいます。目が覚めるとまたあのカフェに戻っているかもと想像してゾッとします。
しかし僕らは確かにクランクアップしました。もう一度書こう。
僕らは確かにクランクアップしました。
上田誠(原案・脚本)
劇映画を初めて監督します。劇映画を作るのが夢でしたが、 一本目がまさかこんな映画になるなんて思っていませんでした。
映画監督を夢見ていた少年の自分に「数年後、時間SF映画を撮ることになるから、時間に免疫つけとけよ、さもないと現場でフリーズしてしまうぞ!」と伝え、過去を変えたい気持ちです。そうです、撮影現場ではあまりの段取りの多さに胸やけし、フリーズしてしまいました。
朝倉あきさんと、ヨーロッパ企画メンバーに助けてもらい、そしてなにより現場で脚本の上田さんに付きっきりで寄り添ってもらえたことで撮り切ることができました。こんな映画は後にも先にも、この作品だけだと思います。本当にクランクアップできてよかったです。
山口淳太(監督)