■「男肉 du Soleil は、今や団員扱いになってます(笑)」(石田)
石田 去年やったことってあまり覚えてないけど、男肉 du Soleilに2回出たっていうのだけは、ハッキリと(笑)。本公演と本公演の間に、2回も出てました。本当、観てる分にはすごく好きだけど、やるのは無理と思ってて。あんな裸で、ずうっと踊り続けるなんて、自分の体力では絶対無理だろうなあと。で、実際に立ったら、全然ヘロヘロ。自分ではピーン! とやってるつもりでも、舞台写真見たら、こんなん(ヘロッとしたポーズ)ですもん。まあでも「それでいいんだ」と、団長(池浦さだ夢)に言われたから。なんか普通に、イジられてる感じでした。
土佐 石田君、まだ1回目(『Kの結婚前夜』)はゲスト扱いやったけど、2回目(『団長のビバリーヒルズ・コップ』)はもう全然、団員やったな(笑)。
石田 やっぱそうだよね?「ここは別に俺じゃなくてもいいじゃん」みたいなシーンも、団長が振ってくるんですよ、もう最近は(笑)。
永野 メンバー的な扱いされて。
石田 (昨年男肉に出演した)中川さんは完全にゲスト扱いでしたよね? カッコ良かったですよね? 何か。
土佐 まあ中川さんは(出演が)1回だけやったからね。やっぱ1回目はそういう感じで、2回目でようやくみんな馴染むんやろうね(一同笑)。
石田 1回だけじゃダメかもわからんね、男肉は。
土佐 もうずっと出たらええんちゃう?
石田 でも永野さんが「出たい」って言ってて。
永野 うん。この前のアフタートークで、何となく。『永野寅次郎の男肉はつらいよ』っていうタイトルでやる、っていう話にはなってるの(一同笑)。
石田 でも次回は『石田剛太のスペース・コブラ』って案も水面下で進んでて、何かもう決まりそうだって…しかも三部作(一同笑)。マジかよ、何か仕事入れー! って思ってるけど…マズイなこれ、団長見たら(笑)。でも本当、ヨーロッパの公演なんて、男肉に比べたら本当に楽よ。楽、って言ったらアレやけど。
永野 1年前に知りたいもん。出演すること。体力づくりから始めておきたい(一同笑)。
石田 もう全身全霊かけてやるから…だから、やる前に怖くなるんですよ。もう疲れるのわかってるから、すごく逃げ出したい気分になる。体痛くなるわ泣きそうになるわで。
永野 想像を絶するしんどさだったと(笑)。
土佐 でも最近は、お客さんも男肉のノリがわかってきて、客席も盛り上がるやん? じゃあもう、踊っちゃうやろ?
石田 いやでもあれ、みんなめっちゃくちゃ冷静なんよ。僕も最初はちょっと興奮して「ワー!」って感じでやってたけど、団員たちは全然そんな感じじゃない。「今ここにいるから、次はあっちに行こう」とか、意外と冷静に考えてやってるんよね。
土佐 じゃあ別に、客席盛りがってようが盛り上がってなかろうが、あまり関係ない?
石田 ないんよね。盛り上がってなかったら、逆に燃えるとか言うもん。
永野 わー、変態やなあ(笑)。
土佐 ドM集団(一同笑)。それはちょっと、コメディとは違う感じやね。やっぱりコメディはお客さんが笑ってくれたら、盛り上がる感じやから。
永野 ヨーロッパでも、たまにお客さんが全然笑わないステージあるけど、しんどいもん。
石田 燃えるんですって。「今日は客席15人です」って言ったら「よっしゃ!」みたいな(一同笑)。メンタル強いなあって思いました。
永野 素晴らしいなあ。男肉の熱烈なファンって増えてるからなあ。ハイタウンの(男肉 du Soleil の)『聖誕祭』の時でもねえ。
土佐 あー、怖いぐらい盛り上がってたなあ、あれ。
永野 あれ観て、ヨーロッパのお客さんが、そのまま流れてるって感じがした(笑)。
土佐 ごっそり取られていくって感じ、したもんね(一同笑)。
■「名古屋の芝居で、2012年上半期の“社長賞”をもらいました」(石田)
石田 で、1回目の男肉の前には、劇団アグレッシブ企画に出てました。
土佐 僕と酒井ちゃんと一緒に。
石田 僕は漫才師のマネージャーみたいな役で。あれは広島のタレントの中島(尚樹)さんと一緒だったけど、それまで舞台の芝居はやったことなかったらしいんですね。でもまあ、やはりズバ抜けて上手くて、芝居が。生の対応とか、舞台では先輩のはずの僕らと比べても、全然上手で。「うわあ、見習うべき所いっぱいあるなあ」って、勉強になりました…まあ、生かせてないけども(一同笑)。
土佐 広島で3人一緒に共同生活したりして。朝起きてから寝るまで、ずっと一緒。
石田 僕は楽しかったけど、部屋が寒かったですよね。あと、酒井君が発明を作るとか…夜中にインパクトドライバーで「ギュルルルル!」っていう音を出すのは、さすがに「ちょっと考えよう」と、注意しました(一同笑)。一番ノンストレスだったのはあいつです(笑)。
永野 それでアグレッシブが終わったら、男肉があって…。
石田 ハイタウン。僕は大歳(倫弘)君の『暗号コメディ』と、諏訪さんの『殺鼠コメディ』でした。『暗号』はすっごい笑いが起こる回と、全然ウケない回がありましたね。逆に『殺鼠』は毎回すごくウケてたし、評判も良かった。諏訪さんの可愛らしい感じが出てて。
土佐 黒木(正浩)さんがずーっと、諏訪さんにマンツーマンで演出されてたよね?
石田 黒木さん、本当に安定してない人なんで。多分1回も、ちゃんとできなかったです(笑)。台詞トチったりとか、小道具を置く場所間違えたりとか。
土佐 でも黒木さんは、あの不安定さが面白いからねえ。一人だけ質感が違う。
永野 生っぽいんよね。多分生っぽさが届くから、すごく観てられるというか。
石田 あれだから、諏訪さんだからできると思うんですよ。他の人が演出しても、全くできないだろうなあと思います。で、その後が、永野宗典不条理劇場ですね。その時期から、ずっと永野さんと一緒だったんです(笑)。
永野 そうそう。『ドラゴン青年団』も一緒やったから。
石田 でもそれ以上に、団長とずっと一緒だった(一同笑)。
永野 わー、そうだそうだ! 不条理劇場は、僕が台本にかかりきりだったから、団長と(望月)綾乃ちゃんのケアを、石田君がやってくれたんだった。
石田 そうそう、ご飯連れていったりして。
永野 本当に石田君キャスティングしてよかったなあと思ったよ、世話役としても(笑)。
石田 で、その後は名古屋で『リバースヒストリカ』って芝居に出ました。名古屋のイケメン演劇ユニットの「SCANP」っていう人らと一緒に。
永野 時代劇?
石田 時代劇ではないけど、映画サークルで戦国時代の映画を撮影しようって言ってたら、祈祷師の人が「時代物を撮るのなら、霊を降ろしてあげよう」って言って。それで明智光秀や織田信長が、本当に降りてくるっていう。
土佐 むっちゃくちゃ面白そうやん!
石田 もう、超エンタメ。で、彼らが暴れだしたから映画どころじゃなくなって、何とかそれを鎮めようと立ち向かう、みたいな。で、僕はブサイクなんだけど、森蘭丸役をやりたがってる人という役で。「蘭丸は絶世の美少年だからお前には無理だ」って言われてたのに、実際に森蘭丸が降りてきて「私は森蘭丸」って、急にカッコ付けた芝居をするようになる、っていう。
土佐 …再演希望(一同笑)。
永野 ヨーロッパのメンバーは、誰も観に言ってないんかな?
石田 観に来てないですね。吉田(オポス社長)さんだけ観に来て「上半期の社長賞を石田君にあげるよ」って、社長賞もらいました(笑)。
永野 社長賞の存在すら知らなかった!(一同笑)
土佐 誰も観てないのに社長賞(笑)。それ、男肉で体動かしてたのは役に立った?
石田 殺陣とかはあったけど…あまり役立ってはないですね。
土佐 僕ね、石田君男肉に出てから、体ぐんぐん弱ってるような気がする(一同笑)。
石田 いやあ、本当にそう。喉も枯れやすくなったし。
永野 吸い取られた?
土佐 体の節々が痛くなってることで、そっから…肉体からメンタルが弱くなってきてる。
石田 もうね、男肉が最たるアレだけど、本当に体張って、体動かしてみたいな仕事が多かったですね。もう来年は、シックな大人の会話劇みたいなのがしたいです(笑)。
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