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『リバー、流れないでよ』完成披露舞台挨拶満席の中、無事終了!

完成披露舞台挨拶

劇場公開に先駆け、6月6日(火)渋谷ユーロライブで『リバー、流れないでよ』完成披露上映会が満員御礼で開催されました。上映後の舞台挨拶に、主演の藤谷理子、出演の石田剛太、酒井善史、角田貴志、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、原案・脚本の上田誠、監督の山口淳太が登壇。2020年、前作『ドロステのはてで僕ら』で同じユーロライブでの完成披露が予定されていたものの、新型コロナウィルス感染拡大によりやむなく中止。その後も緊急事態宣言の発令などでヨーロッパ企画メンバーが揃っての舞台挨拶は最後まで実現しませんでした。今回、ヨーロッパ企画の本公演以外でお客様の前にメンバーが揃ってリアル登壇するのは、実に3年ぶりとなりました。

主演の藤谷さんは「ふじやのちょっとメンヘラな仲居のミコトを演じました」と挨拶。試写で観た時の感想については「私自身は面白かったんですけど、皆さんがどう思うかが不安でした。一緒に試写を観た母親と2人で“面白かった……よね?面白かったって言って……いいよね?”と何度も確かめ合いました」と初主演ならではのフレッシュな心境を吐露。

番頭コハチ役の永野さんは、初号試写で5回も泣いたそう。「僕の情緒がおかしかったかもしれない。だから今日は答え合わせしたい!」と宣言し、泣いたシーンを一つずつ挙げる永野ですが、他のメンバーはいまいちピンときてない様子。それを見た永野さんは「キャッチコピーは“コハチが泣いた”でお願いします」とコメントし、会場を笑わせました。上田さんは「“心がない”ことでお馴染みの僕ですが」と前置きした上で「前作『ドロステのはてで僕ら』は一滴の涙も出ないような、時に恐怖を感じるような映画になりましたが(笑)、今回はエモーショナルな映画を作りたかったんです」と脚本執筆時を振り返りました。

撮影中、10年に1度の大寒波に襲われ、4日間撮影中止になった本作。角田さんは「集合場所まで死にそうになりながら自転車を漕いで、着いた途端に撮影中止に。来年の春にもう一回集合して撮ろうかみたいな流れになるかと思いきや、なぜかその後も雪の中で撮ってはりまして。で、完成した本編を観たら……素晴らしい雪景色じゃないですか!」と普段のキャラとは違う饒舌トーク。土佐さんからは「まさか角田さんがここまでドリブルしてくださるとは」、上田さんからは「劇中よりしゃべってくれてるじゃないですか(笑)」と声があがりました。

撮影中の思い出を聞かれた中川さんは、「劇中ではほとんど裸で、とにかく寒かった。でもスクリーンからは寒さが全く伝わらない」とボヤきながらも「毎日、ふじやさんのホカホカのお風呂を用意してもらっていました」と撮影時を述懐。また、石田さんは「夏の暑い時期に観るにはぴったりの映画。ぜひ『リバー、流れないでよ』で避暑気分を味わっていただきたいです」とポジティブにPRしました。

一方、この想定外の大寒波を受け、演出部チームでは“気候会議”なるミーティングが実施されたそう。山口監督は「雪が降ると画がつながらないということで、神様を恨んでたんですけど。でも照明の方に“気候は操作できないですよ”って言われて」と大マジメに語り出し、周囲は「言われるまで気づかなかったん?」と大爆笑。しかしながら、雪を物語に組み込む形に切り替えて、現場で上田さんが「世界線がずれている」というセリフを追加。上田さんは「“世界線がずれるということにします!”という宣言がロケ中に行われて(笑)。世界線って、すごく便利な言葉なんです」と笑わせました。

そして「理系の料理人エイジを演じました」と挨拶した酒井さん。ヨーロッパ企画の中では役者だけでなく、小道具も手がけるなど大活躍で、「今回も久保史緒里さん演じるヒサメのブーツを作りました」と明かしました。

最後に、山口監督は「いろんな危機を乗り越えて、ようやくお披露目できました。僕たちとしては、面白い、誰も作れない、新しい映画ができたと感じています。どんな方に観ていただいても、感情に訴えられる普遍的なエモーショナルを描けたと思っています」と自信をのぞかせます。そして、上田さんは「ヨーロッパ企画は、思いついても誰もやらないようなことをやろうということを常々考えています。『リバー、流れないでよ』はまさしくそういう映画。キャストスタッフ力を合わせて、なかなか登れない山を登れたと思っています。僕らのものづくりは、競技人口が少ない種目で記録を競っている感覚。今回もすごい映画ができたとは思っているが、僕らもこの作品をどういうふうに形容していいかわからないところがあって。これからは観てくれた人たちのお言葉をお借りして、広めていけたらと思います」と締めくくりました。

完成披露舞台挨拶